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【過去資料】出口戦略までわかる『 つみたてNISAの教科書 』

本資料は、2023年12月までの資料のため、最新の情報とは異なる可能性があります。

あらかじめご了承ください。

こちらの記事は、1160部以上の方から読んでいただきました、Brainで販売したものと同じ内容になります。


もくじ

第1章 つみたてNISA制度の概要

※更新

つみたてNISAは2023年12月31日までで新規投資が終了することが決まりました。
しかしながら、2023年までに投資をした分に関しては、現行の制度通りに非課税期間は20年となります。つみたてNISA制度の新規投資ができなくなるだけで、つみたてNISAで今まで投資をした分が非課税でなくなるわけではありません。そのため、つみたてNISAで投資をしていた方や2023年中につみたてNISAを使って投資をする方は、変わりなくつみたてNISAを理解いただくことが大切になります

つみたてNISA制度は、長期、分散、積立の王道戦略で投資ができ、運用益が非課税になる制度です。

なんといってもつみたてNISAは運用期間が長く、長期投資を目的に作られた制度なので、初心者でもおススメできる仕組みになっています。

本章でまずは、つみたてNISA制度の概要についてしっかりと理解してください。

1-1 つみたてNISAの現状

つみたてNISAは2018年1月から始まった制度です。

金融庁のデータによると、2021年9月現在、470万口座以上開設されており、30代、40代の方を中心に活用されています。

しかしながら、2020年に開設された口座のうち約30%の口座で買付金額が0円だったことが明らかになっています。

要するに、口座は作ったけれど、運用を始めていない人が30%もいるということです。

「なんてもったいない・・・」

商品選びや専門用語がわからないから一歩を踏み出せない方もいると思いますが、

私は最大の原因として「つみたてNISA制度の理解不足」にあると考えています。

早く始めた方がどれだけお得かどうか知っていれば、活用する人は増えるはずです。

つみたてNISAは将来の不安を大きく減らすことのできる活用しないと損な制度なので、みなさんには資産形成をしっかりとしていただきたいと思っています。

1-2 4つのNISAの比較

投資をしていく上で特に気を付けないといけないのは、「手数料」と「税金」です。

特に、税金については、現在投資で得た利益に対して約20%かかります。

正確には、20.315%(所得税15%+2037年まで復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。

そのため、もしも投資で100万円の利益が出ていたとしても、税金として20万円支払うため、実際80万円しか自分の手元には残りません。

金額でみると大きな金額を引かれてしまうことに驚く方もいらっしゃるかと思います。

この利益に対する税金を非課税にする制度として、国はNISA制度を用意しています。

これにより、先ほどの例でいうと、投資で得た100万円の利益を丸々もらうことができますので、使わない手はありません。

2024年からはじまる新NISAを含めると、NISAは4種類あります。

一般NISAとジュニアNISAは2023年までで終了し、2024年からはつみたてNISAと新NISAの2つのNISAになります。

つみたてNISAは、日本に住む20歳以上(2023年からは18歳以上)なら誰でも利用できます。

1年間に投資できる上限は40万円まで投資可能です。

毎月にすると40万円÷12カ月=33,333円の投資をして、最長20年間で得られた利益がすべて非課税です。

さらに、法改正によって2037年から2042年まで投資期間が延びています。

つみたてNISAは4つのNISAの中で最も長期で投資をすることができます。

投資期間が長ければ長いほど、リスクを抑えた投資をすることができるのでつみたてNISAは長期投資にぴったりなのです。

また、iDeCoのような年齢による引出し制限はありませんので、資産はいつでも引き出すことができて自由度が高いのも特徴です。

1-3 選べる商品は資産形成にオススメの商品のみ

つみたてNISAで購入できる商品は投資信託のみです。

(ETFも投資信託の1つです)

投資信託とは

トヨタ自動車やAppleなど様々な企業の株が入った詰め合わせパックのことです。入っている株は商品によって違います。

投資信託は約6000本あって種類も千差万別。

選ぶのがとても難しいと感じる方もいると思いますが、つみたてNISAでは心配しなくて大丈夫です。

つみたてNISAでは、金融庁の厳しい基準を満たした206本(2022年2月10日現在)から選ぶことができます。

なんといっても資産形成の役に立つ商品以外はあらかじめ除外されているので、「ハズレ商品」がない状態で購入できるのです。

例えば、金融庁の厳しい基準の一部を解説します。

①販売手数料がゼロ(ノーロード)

→購入時のコストです。積立投資は何百回も行っていくことになりますので、購入時にコストがかからないものがオススメです。

②信託報酬は一定水準以下

→運用時にかかるコストのことです。運用し続ける間は毎日かかるコストになるので低いに越したことはありません。

③信託契約期間(運用期間)が無期限または20年以上

→投資信託の運用期間のことです。実は投資信託の中には運用期間が短期のものがあります。長期投資が前提なので無期限または20年以上に基準が設定されています。

④分配頻度が毎月でない

→投資信託には分配金が出るものがあります。分配金は配当金のように持っているだけでもらえるお金です。だけど、分配金は再投資をした方が複利効果を最大化できるのでなるべく少ない方がオススメです。

このように、運用成績に影響するコストを重視して選定されているため、顧客を食い物にするような長期投資に適さない商品が除外されているのは素晴らしいポイントです。

私は選べる商品の中でも長期投資に適しているコストの安いインデックスファンドをオススメしています。

オススメ商品は図の中に記載しています。

参考にしてみてください。

第1章まとめ 「つみたてNISA制度の概要」

まずは、つみたてNISAの基本を理解してください。

ポイントをまとめました。

・毎年40万円の非課税枠

・毎月にすると33,333円

・最長20年間非課税で運用できる

・選べる商品は金融庁の条件を満たした厳選商品

・長期、分散、積立の王道戦略がとれる

・資産はいつでも引出し可能

・法改正によって2042年まで投資期間が延長

第2章 つみたてNISAの注意点

つみたてNISAには数多くの注意点があります。

ここでは、よく私がいただく質問や知っておかなければ損をしてしまう注意点を大きく6つ解説いたします。

これらの注意点を理解して、運用するようにしてくださいね。

それでは参ります。

2-1 NISAは1人1口座まで

表に、2023年までと2024年からのNISAの併用についてまとめました。

例えば、2023年までの場合、つみたてNISA口座をすでに持っている人は、2つ目のつみたてNISA、一般NISA口座開設はできません。

NISAは1人1口座と決められているからです。

ただし、ジュニアNISAの場合は子供用のNISAであるため、両親がつみたてNISAや一般NISAを利用していたとしても利用できます。

また、iDeCoについては、つみたてNISAと一般NISAを利用していたとしても併用が可能です。

さらに、2024年以降は、一般NISAとジュニアNISAは廃止。2024年からは新NISAが新しくはじまります。

併用については、つみたてNISAと新NISAの併用はできませんが、従来通りつみたてNISAとiDeCoの併用は可能です。

このように、ジュニアNISAやiDeCoは併用できるため、さらに余剰資金がある場合は利用するのがオススメです。

2-2 非課税枠は余っても持ち越すことができない

つみたてNISAは年間40万円の非課税枠がありますが、持ち越しはできません。

例えば、つみたて金額を毎月1万円、年間12万円の積立をした場合を考えます。

すると、40万円-12万円=28万円の非課税枠が余ることになります。

 しかし、非課税枠が余ったからと言って勘違いしてはいけません。

翌年の非課税枠は、通常の40万円に、前年の28万円をプラスした68万円の非課税枠にはなりません。

非課税枠が余っていても繰り越すことができないので、翌年の2023年の非課税枠は2022年と同じ40万円です。

このように、つみたてNISAは非課税枠を持ち越すことはできない制度なので、なるべく早く始めて満額で積立を行った方がお得です。

ただし、大切なのは長期で継続していかなければ、つみたてNISAのメリットを受けることはできませんので、決して無理な金額を投資してはいけないことは忘れないでください。

現在は、楽天証券やSBI証券などのネット証券では、毎月100円からでも積立ができるようになりました。

 まずは100円でもよいので小額から始めて、少しずつ投資金額を増やす。

無理のない範囲で積立をしていくことが継続のカギになります。

2-3 非課税枠は復活しない

つみたてNISAの非課税枠は、1度売却をしてしまうと非課税枠は消費されるだけで復活はしません。

例えば、2022年に毎月3万円を10カ月間投資をした場合、合計で30万円の投資になります。

つみたてNISAは最大年間40万円投資できますので、残りの非課税枠は10万円です(40万円-30万円=10万円)。

ところが、どうしても現金が必要になり、同じ2022年に10万円分だけ売却した場合を考えてみます。

するとどうなるのか、②売却した10万円分の非課税枠は復活しないので、①残りの非課税枠は10万円のままです。

売却した分の10万円分が増えて20万円になることはありません。

また、残った③20万円分だけが20年間非課税で運用可能になります。

復活しないだけでなく、10万円分が非課税運用できないということは、より大きな損失です。

これも例えば、もしこの10万円を利回り4%で20年間運用できた場合、約22万円になります。

このように、万が一売却するようなことになった場合でも、非課税枠は消費されるだけで復活はしません。

さらに、非課税で運用できる金額も減ってしまいます。

これがまさに私が日々、「投資は余裕資金でやるのが大切」と発信している理由です。

つみたてNISAは長く続けて途中売却はなるべくしないことが大切なので、ムリな投資はしないように注意してください。

2-4 損益通算と繰越控除ができない

これまで非課税運用ができることをメリットとお話をしてきましたが、実はつみたてNISAには税制面のデメリットがあります。

これは、今後つみたてNISAを越えて投資をしていく人にとっては特に知っておくべき売却するときのお話です。

私はつみたてNISAで購入した商品は売らずにずっと保有することをオススメしていますので、もしも売却するときの知識として知っておいてください。

つみたてNISAの場合は、損益通算(複数の口座で利益と損失を合計して税金の計算を行うこと)と繰越控除(損失を最大3年間繰越し、利益から引くこと)ができません。

「損益通算?」

「繰越控除?」

わかりにくいところなので、具体的な例で説明します。

例えば、Xという投資信託(X投信)とYという投資信託(Y投信)に投資をして、それぞれ、X投信が+30万円(含み益)、Y投信が-40万円(含み損)だとします。

含み益と含み損とは

持っている投資商品を売ったら利益が出る状態を含み益。逆に損になる状態を含み損と言います。

ここから3つのケースで売却した場合を解説します。

ケース➀

X投信とY投信をどちらも「課税口座」で取引をしていた場合

損益は+30-40=-10万円。

損失が出ているので税金は0円です。

さらに、損失は確定申告をすることで最大3年間繰越ができるので、翌年以降の利益と相殺できます。

もし、来年に+10万円の利益が出ていれば、去年の-10万円と相殺して税金が0円という形にすることも可能です。

このようにどちらも課税口座の場合は、繰越控除と損益通算が両方できます。

ケース②

X投信を「課税口座」、Y投信を「つみたてNISA口座」で取引をしていた場合

損益通算ができないので、損益は+30万円となり、利益がでているので、税金は20.315%の60,945円かかってしまいます。

つみたてNISA口座で損失が出ていても課税口座の利益と相殺はできないので税金がかかってしまうのです。

このように、損益通算できないデメリットが生まれてしまいます。

ケース③

X投信とY投信をどちらも「つみたてNISA口座」で取引をしていた場合

損益は+30-40=-10万円。損失が出ているので税金は0円です。

しかし、この-10万円の繰越控除ができません。

もし、来年に+10万円の利益が出た場合、課税口座のように繰越ができないので、通常の税金20.315%の20,315円がかかってしまいます。

これらのように、つみたてNISAでは、利益が出ても、損失が出ても、税制面ではどちらも数えないということになります。

※逆に言えば、つみたてNISA口座ではなく課税口座で投資を行う場合は、損益通算と繰越控除ができるので覚えておいた方がよいですよ。

2-5 つみたてNISA口座の商品は移すことができない

つみたてNISA口座で購入をした投資商品は金融機関を変更しても移すことはできません。

例えば、今まで楽天証券でつみたてNISA口座を使ってきたが、SBI証券に変更する場合を考えます。

今後つみたてNISAで購入する分に関しては、SBI証券で購入可能です。

しかしながら、今まで楽天証券で購入してきたつみたてNISAの投資商品をSBI証券に移すことはできません。

つまり、楽天証券で購入した投資商品は楽天証券で保有して非課税運用していくか、売却するかの2択になります。

私の意見では、複利効果で資産を殖やしたいならば途中売却はもったいないため、この場合は楽天証券での保有がオススメです。

これらのように、つみたてNISAの場合、証券口座を変更しても商品自体は移すことはできません。

楽天証券で購入をした分は楽天証券で保有し、SBI証券で購入した分はSBI証券で保有し続けることになります。

このように、2つの金融機関で投資商品を持つことになるため管理の手間が増えることは覚えておいてください。

最近では、楽天証券の度重なる改悪によってSBI証券に変更したい人も多いと思いますが、こういった運用する手間も考えて判断すると良いと思います。

2-6 つみたてNISAでスイッチングはできない

つみたてNISAでスイッチングはできません。

スイッチングとは、

保有している金融商品を売却し、別の金融商品を購入することで入れ替えることです。

例えば、米国株式を40万円分購入していたけれど、全世界株式40万円分に商品入れ替えをしたい場合を考えます。

つみたてNISAの場合は、「2-3 非課税枠は復活しない」で説明したように非課税枠の再利用ができません。

つまり、米国株式で購入した非課税枠は再利用できないため、全世界株式を購入したい場合は、新規の非課税枠を使って買付を行うことになります。

もっと言うなら、新たに乗り換える投資信託に資金をまとめることができない、ということです。

図のように、2021年に米国株式を購入した分はそのまま20年間非課税運用していくことになるのです。

そのため、最初の商品選びは慎重にしていく必要があります。

第2章まとめ 「つみたてNISAの注意点」

つみたてNISAには知らないと損をしたり、勘違いしてしまう注意点ばかり。

しっかり理解いただけるように、本章のポイントをまとめました。

・NISAは1人1口座。だけど、iDeCoとの併用は可能です。

・非課税枠は毎年40万円です。使い切らなかった分があっても持ち越すことはできません。

・1度売却すると非課税枠は復活しないので、余剰資金で投資をすることが大切

・損益通算と繰越控除ができないという税制面のデメリットもあるので注意しましょう

・証券口座を変更しても、つみたてNISAで購入した商品を変更先に移すことはできません。

・スイッチングはできないので、最初の商品選びは慎重に行うこと。

第3章 長期投資を継続するコツ

つみたてNISAは長期でコツコツ継続することができれば、大きな資産を作ることができる制度です。

だけど、中には、子育てや転職といったライフイベントによって、満額の33,333円を毎月積立することが難しいと感じる方もいらっしゃると思います。

それでも、私は将来の資産を少しでも大きくするために、つみたてNISAを継続してほしい。

なぜなら、つみたてNISAには長期投資を継続することができる仕組みがしっかり備わっているからです。

本章では、つみたてNISAを継続するために、知っておいてほしいコツをまとめて紹介していきます。

3-1 つみたては100円からできて、金額の変更も可能

よく「今はお金がないので、もう少ししてから始めたい」というご相談をいただきますが、私は今すぐ始めた方がよいですよ、とアドバイスしています。

つみたてNISAは、例えば楽天証券やSBI証券などの金融機関では100円から始めることができるからです。

「投資が怖い」「投資って難しそう」って思っている方も同じです。

投資の値動きや証券口座の操作方法など、少しずつ慣れていくためにも、最初は100円からでもはじめることに意味がある!と私は思っています。

また、つみたてNISAは、最初に少額ではじめて、慣れてきたら積立額を増額したり、逆に生活に余裕がなければ減額できます。

何よりも継続していくことで複利効果を最大化することができますので、この自由度の高さを上手く利用してムリなく続けていってください。

とはいっても、投資する金額は大きい方が資産は増えます。

投資金額は2倍、3倍になれば、得られる利益もどんどん大きくなっていくからです。

それでは具体的な数字で比較をしてみます。

例えば、それぞれ100円、5,000円、10,000円、満額33,333円でそれぞれ20年間積立投資をした場合で比較します。

20年後の資産額は

🔶100円:36,677円

🔶5000円:1,833,873円

🔶10000円:3,667,746円

🔶33,333円:12,225,699円

つみたてNISAは100円から開始できますが、満額の33,333円と比べると、20年後の資産は1200万円ほどの差になります。

月100円から始めて、少しずつ投資に慣れていき、自信がついたタイミングで5000円、10000円とつみたて金額を大きくしていくことで、つみたてNISAの非課税メリットの恩恵が大きくなってくるのです。

まとめると、まずは無理のない金額でつみたてを始めて、慣れてきたら少しずつ積立金額を増やしていくのがオススメの方法になります。

この自由度の高さを上手く活用して継続してみてください。

3-2 つみたては休止も可能

つみたてNISAでは、収入や貯金が減ってしまった場合、新たな積立を休止することができます。

しかし、この休止ができる点について、よく以下のように質問を受けますのでここではその悩みにお答えしたいと思います。

休止についてよくある質問

❶1度ストップしてしまったら今まで投資をした努力が水の泡になるんじゃないか?

例)33,333円投資していたけど、積立はコツコツやるのが大切と聞きます。継続できないなら意味がないのではないか?

❷休止するくらいなら売却した方が良いのではないか?

例)銀行で始めたけど、ネット証券に乗り換えます。銀行でつみたてした分は売却した方がよいか?

最初に、私の回答をお伝えします。

❶の回答

1度ストップしても努力が無駄になるわけではありません。その後、証券口座で積立した分を持っているだけで増えていくことが期待できるからです。

❷の回答

休止をしても決して売却しない方がよい。「2-3」でもお伝えしたように非課税枠は復活しませんので、20年間非課税で運用できるのに売却するのはもったいないからです。それが銀行であったとしても売却しない方がよいと思います。

私はこのように回答しています。

その根拠を具体的な数字や図で解説します。

例えば、2021年は頑張って毎月33,333円をS&P500に連動する投資信託に積立して40万円投資できていたけれど、2022年収入が下がり積立を休止した場合を考えます。

このとき、1年間で売却をした場合、売却をせず20年間運用した場合それぞれで計算してみます。

1年間で売却をした場合

S&P500の1928年~2020年のデータによれば、1年間の投資期間では、-47.1~+46.6%の振れ幅があります。

金額を計算すると、元本の40万円が最低約21万円~最高約59万円になる可能性があるということです。

このように、1年間で売却をした場合は、投資金額40万円よりも少なくなってしまう元本割れの可能性があります。

20年間非課税運用をした場合

例えば、利回り4%で20年間非課税運用できた場合、投資金額40万円は2倍以上の約86万円になることが期待できます。

これは、複利効果で資産がどんどん増えていくからです。

また、20年間長期で時間を分散しながら投資を継続することができれば、どの時期から開始をしたとしてもマイナスになることはなかった、というデータもあります。

具体的にはS&P500の場合、20年投資をした場合利回りが最低0.96%~最高+14.7%に収束したという結果です。

これらのように、積立をストップしたからといって、水の泡になることはなく売却しない限りは資産を増やすことができます

また、もちろん2022年は積立ができなかったとしても、2023年から再開することも可能です。

ムリせずにコツコツ継続していき、たとえそれが銀行であったとしても、積立した分は売却せずに保有し続けることが大切です。

普通なら、つみたてを休止=売却をイメージしがちですが、ここで解説したように売却するのは非常にモッタイナイのです。

3-3 つみたての商品はいつでも変更可能

「2-6」で解説したように、つみたてNISAでスイッチングはできません。

スイッチングはできませんが、今後新たに積立を行う商品については、いつでも変更することができます。

例えば、最初はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で運用を始めたけれど、今後はリスクを抑えるためにも、債券も取り入れたい。

そこで、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を積立ていきたいと思ったときでも変更できるということです。

近年は、ますます運用コストの安くて良い商品が出てきているため、20年、30年と長期投資であれば、商品を変更する方も多いと思います。

例えば、S&P500に投資をする場合

今まではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が不動の人気でしたが、さらにコストの安いSBI・V・S&P500インデックス・ファンドが登場しました。

そこで、SBI証券で積立を行っている方の多くは、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)からSBI・V・S&P500インデックス・ファンドに変更した方がたくさんいたのです。

※楽天証券ではSBI・V・S&P500インデックス・ファンドは購入できません。

補足

どちらの商品も信じられないくらいコストの低い素晴らしい商品であり、正直コストはほとんど変わりません。

それでも少しでもコストの低い方がよいという方は、最適な商品を追い求めてみてください。

◆eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

信託報酬(運用コスト):0.0968%

総コスト:0.124%

◆SBI・V・S&P500インデックス・ファンド

信託報酬(運用コスト):0.0938%

総コスト:0.10%

また、選べる商品は「1-3」で解説したように、インデックスファンドを中心に毎月のように増加しています。

もし絶対に最適な商品を選んでいきたいという方は、しっかりと日々学んでいくことが大切になります。

第3章まとめ 「長期投資を継続するコツ」

・つみたてNISAは100円から開始することができる。

・まずは無理のない金額で積立を始めて、慣れてきたら少しずつ積立金額を増やしていくのがオススメ。

・つみたてNISAは積立をストップすることができる。

・積立をストップしたからといって、水の泡になることはなく売却しない限りは資産を増やすことができる。

・今後新たに積立を行う商品については、いつでも変更することができる。

・最適な商品に投資し続けたいならば、日々の学びが大切。

第4章 つみたてNISAの正しい積立理解

本章ではいよいよ出口戦略に向けて理解していくステップとして、まずは正しいつみたてNISAの積立イメージを解説していきます。

積立イメージを勘違いしていると、第5章、第6章の出口戦略の理解が難しくなります。

多くの方が勘違いしている内容になりますので、ぜひ理解してください。

前提条件

年間の利回りは4%で計算します

→私のオススメするS&P500では過去90年で平均7%以上の利回りを実現してきました。

しかし、過去そうだったからといって、未来もそうなるわけではありません。

高い利回りを期待してしまうと、未来でそうならなかったとき、計画が大きく狂ってしまうため、本書では用心深く「4%」と推測して計算をすることにします。

※インデックス・ファンドを世界で初めて設定したジョン・C・ボーグル氏の著書「インデックス投資は勝者のゲーム」の考えをもとに、4%という予想をしています。

毎月33,333円の満額投資で話を進めていきます。

つみたてNISAの最大の実力を皆様に理解していただくためです。

4-1 積立シミュレーションの勘違い

つみたてNISAには、実は積立シミュレーションで表すことのできないメリットがあるのです。

特に勘違いしやすいのが、よくある積立シミュレーションです。

※こちらは楽天証券の積立かんたんシミュレーションを用いています。

例えば、

毎月積立額:33333円、積立期間:20年間(2022年~2041年)、リターン:4%で運用できればシミュレーション結果では約1220万円になるよ、という結果です。

このシミュレーション結果自体は決して間違いではありません。

元本は約800万円、利益は約420万円で20年後の資産は約1220万円です。

本来税金が約20%かかるところ、つみたてNISAは運用益にかかる税金が非課税です。

そのため、約420万円×約20%=約84万円以上もつみたてNISAをやっているおかげでお得であるということになります。

しかし、これがつみたてNISAのシミュレーション結果として、正しくつみたてNISAのメリットを反映できているかというと、決してそうではありません。

実は、つみたてNISAのメリットはこのシミュレーション以上に大きいものなのです。

次に、その理由を解説していきます。

こちらの図はつみたてNISAの全ての運用開始年と非課税期間(水色の部分)をまとめた図になります。

結論を最初に述べると、先ほどのシミュレーションの場合は、20年間(2022年~2041年)なので緑四角で囲った部分しかシミュレーションできていません。

お伝えてしているように、つみたてNISAはその年に投資をした40万円を20年間非課税で運用できる制度です。

ということは、ここで紫の丸で囲った部分に注目してください。

2041年に最大40万円積立投資をした場合、たった1年間しか非課税運用ができていないことになります。

20年間の非課税期間のうちのたったの1年間です。

実は、このシミュレーションの結果のうち20年間の非課税運用ができているのは、2022年に投資した部分だけなのです。

要するに、お伝えしたいのは、20年間のシミュレーション結果では、つみたてNISAの非課税メリットをほとんど使えていないということです。

こちらはわかりづらい部分ですので、1つ1つ詳しく解説していきます。

まずは、つみたてNISAの運用イメージを改めて解説します。

正しいイメージとしては、1年間だけ積立をして、その後は19年間非課税で運用し続けるという形になります。

例えるならば、

1年間だけ40万円分積立ができる箱が用意されており、その箱の中に1年間かけてお金を入れていく(積立していく)イメージです。

そして、1年経つと箱は閉じて積立はできなくなりますが、その後、19年間非課税で運用し続けることができるという形です。

これで、最初の1年間の運用とその後の19年間の運用を合わせて、合計20年の非課税運用期間になります。

ここから、さらに踏み込んで具体的な数字で解説します。

例えば、

2022年につみたてNISAをはじめ、満額40万円を積立するために、毎月33,333円(40万円÷12か月)を積立していき、利回り4%で1年間運用できたとします。

すると、2022年末には、407,411円になっています。

これを19年間、2041年まで非課税で運用することができます。

同様に、利回り4%で407,411円を19年間運用すると、858,354円(約86万円)になります。

つまり、2022年からつみたてNISAをはじめた場合、

2022年末まで1年間運用し、その後2041年まで19年間保有し続けてようやく、合計20年間の非課税期間をすべて使ったことになるのです。

もう1つ、理解するために同様の例で解説します。

では、2023年に投資した分はどうなるのか?

2023年末まで毎月33,333円(40万円÷12か月)を積立していき、利回り4%で1年間運用をして、その後2041年まで18年間非課税で運用し続けることになります。

つまり、2022年から2041年までの運用期間のシミュレーションの場合、

2023年に投資した分の非課税期間は19年間しかないため、1年間短いことになります。

本来2023年の投資分は、2042年まで非課税期間であるものの、シミュレーションでは反映できていない、という捉え方もできます。

2023年の投資分は、利回り4%で18年間運用すると、825,340 円(約83万円)になります。

これらのように、2022年分は非課税期間の20年間をすべて使って運用できていましたが、2023年分はすべて使えてはいません。

2023年の投資分からは19年間、2024年分は18年間、2025年分は17年間・・・と非課税運用期間が短くなっていきます。

要するに、非課税運用できる期間があるのにすべて使えていないという状態になるのです。

ここで、運用開始年と非課税期間(水色の部分)をまとめた全体の図に戻ります。

これまでの理解をしたうえで、もう1度最初のシミュレーションを考えてみます。

毎月積立額:33,333円、積立期間:20年間(2022年~2041年まで)、リターン:4%で運用できれば約1220万円になるというシミュレーション結果のこと。

最初にお伝えしたように、シミュレーション結果は間違いではありません。

だけど、つみたてNISAの非課税運用期間の20年を最大限使えていないのもまた事実なのです。

最大限メリットを発揮したものは、こちらの紫で囲った平行四辺形の部分になります。

2022年~2041年までの投資可能分を非課税期間20年でフルに活用した場合です。

この場合、2022年の投資イメージで解説したように、20年間運用した場合は、2041年末時点で858,354円(約86万円)になります。

それが合計20年分(2022年~2041年分)あるので、

2022年から2041年までの20年間の場合、858,354円×20=17,167,080円(約1717万円)となります。

元本は約800万円、利益は約916万円です。

本来税金が約20%かかるところでつみたてNISAは非課税なので、約916万円×約20%=約180万円もつみたてNISAをやっているおかげでお得であるということになります。

運用期間は、投資をする目的によって人それぞれだと思います。

しかし、つみたてNISAの非課税期間をフルに活用した方が非課税メリットは大きくなるので、長期運用し続けた方がお得だと言えます。

今後、つみたてNISAで運用していくならば、正しい運用イメージをしっかりと持っていただき、長期で投資を実践いただければと思います。

4-2 投資可能期間と非課税期間の勘違い

次に、投資可能期間と非課税期間の勘違いを解説します。

年間40万円まで積立でき、その運用益は20年間非課税になるという説明だけを見ていると勘違いしてしまいます。

つみたてNISAで投資できる元本は年間40万円×20年=800万円までと思っている方がいるかもしれませんが、これは間違いです。

つみたてNISAは非課税運用できる期間は20年ですが、2022年から始めた場合は投資できる期間は21年だからです。

理由は2020年度の税制改正によって、新規に投資できる期間が2037年から2042年まで5年間延長されているからです。

そのため、

2022年から投資を始めた場合、2022年~2042年までの21年間も投資できる期間(投資可能期間)があります。

金額にして、年間40万円×21年=最大840万円(投資元本)です。

2023年から始めた場合は最大800万円・・・

2024年から始めた場合は最大760万円・・・

のように、はじめるのが遅ければ遅いほど、どんどん非課税で運用できる金額は減っていきます。

ちなみに2021年から始めた人は最大880万円まで20年間非課税で運用できるので、つみたてNISAはなるべく早く始めた方がお得であることがわかります。

今後も法改正によって変更がある可能性もあるので、しっかりと学び続けることが大切です。

補足情報

つみたてNISAスタート当時、投資可能期間は2018年~2037年までだったので40万円×20年で、本当に最大800万円でした。

法改正によって5年間も非課税期間がのびたことでより投資できる金額が増えたことになります。

なんと2018年からはじめた人は2018年~2042年まで投資ができるので、40万円×25年=最大1000万円まで投資できちゃうんです。

ほんとに、つみたてNISAを今すぐにでもはじめた方がよい理由の1つだと思います。

4-3 非課税期間のフル活用を計算

この章の最後に、「4-1 積立シミュレーションの勘違い」と「4-2 投資可能期間と非課税期間の勘違い」を理解した上で、つみたてNISAの非課税期間をフル活用した形を解説します。

これを理解することができれば、よりつみたてNISAの本当のスゴさを実感していただけるかと思います。

これまでお伝えしてきたように、つみたてNISAの正しいイメージとしては、1年間だけ積立をして、その後は19年間非課税で運用し続けるという形です。

2022年に毎月33,333円を投資した分は、2041年まで20年間利回り4%で運用すると、満額40万円が約86万円(858,354円)になります。

また、それぞれの各年における投資分をすべて20年間運用すると・・・

2023年投資分は2042年までで約86万円

2024年投資分は2043年までで約86万円

2042年投資分は2061年までで約86万円

つまり、2022年に始めた場合、非課税期間をフル活用すると図のようになります。

2022年からはじめた場合、投資できる年数は2022年から2042年までの21年間でしたので、全部で21個分も20年で非課税運用できるということです。

具体的な数字で、非課税期間をフルに活用した場合に資産額を計算すると、

21年間×約86万円(858,354円)=約1800万円(18,025,434円)になります。

元本約840万円(8,399,916円)、利益約960万円(9,625,518円)です。

本来税金が約20%かかるところでつみたてNISAは非課税なので、約960万円×約20%=約192万円以上もつみたてNISAをやっているおかげでお得であるということになります。

これが非課税期間をフル活用した場合のつみたてNISAの真のメリットです。

せっかくの非課税期間なので、使える分はすべて使って賢く資産形成をしていきたいところですね。

第4章まとめ 「つみたてNISAの正しい積立理解」

・つみたてNISAの非課税運用期間は20年だが、投資可能期間は20年とは限らない。

・2022年につみたてNISAをスタートした場合は、投資可能期間は21年間。年間40万円×21年=最大840万円(投資元本)を非課税運用可能。

・つみたてNISAのメリットを最大化するためには、非課税期間のフル活用が必要。

・2022年~2042年までの非課税期間をフル活用した場合、利回り4%で運用すれば、資産約1800万円になる。

第5章 20年後の出口戦略

第4章までしっかり理解していればつみたてNISAの基本理解としては十分だと思います。

だけど、私は皆さんに自信を持ってつみたてNISAを継続し、毎日の生活をワクワクしたものにしてほしい。

暴落があっても決して、つみたてNISAをやめずに資産形成を成功させてほしい。

そのためには、出口戦略までの理解が重要です。

いよいよ本書の本題である、出口戦略を解説をしていきます。

出口戦略とは

つみたてNISAのやめるのはいつなのか、売却するタイミングはいつなのか、将来の資産はどうなっているのか、といった最後のゴールについて考えること。

本章では、つみたてNISAの非課税期間が終了する20年後の出口戦略を解説していきます。

「非課税期間の終わる20年後にどうすればよいか??」

つみたてNISAの場合は、一般NISAやジュニアNISAと違ってロールオーバーすることができません。

ロールオーバーとは

非課税期間終了後に、翌年の非課税枠に乗り換えて非課税を継続すること。

つまり、つみたてNISAで運用した場合の非課税期間は20年よりも延長することはできません。

よって、非課税期間が終了する20年後には、必ず何かしらの選択をすることになります。

実は、あなたの取れるつみたてNISAの出口戦略には、3つの選択肢があります。

出口戦略のパターンはこの3つ

A 20年後にすべて売却する

B 20年後も運用し続けて売却する

C 20年後に一部を売却して運用し続ける

ここからは、2022年の1年間に40万円を投資し始めた場合の投資分のみに着目し、この3つの出口戦略をすべて具体的な数字で解説していきます。

5-1 「A 20年後にすべて売却する」

「A 20年後にすべて売却する」場合について解説します。

例えば、2022年に投資をした40万円を利回り4%で20年間運用できた場合、2041年に約86万円(858,354円)になります。

元本40万円、運用益は約46万円(458,354円)です。

つみたてNISAの場合は、非課税運用できる20年間の間の運用益は非課税になるため、約46万円(458,354円)に税金はかかりません。

よって、2022年投資分は、2041年まで運用してから引き出した場合約86万円をそのまま受け取ることができます。

投資した金額40万円の約2倍です。

ただし、私はすべて売却する方法をおススメしません。

最もシンプルな出口戦略の考え方なので、多くの方が20年後には売却しようと考えているかもしれません。

しかし、つみたてNISAは20年間の非課税運用期間があるからといって、20年後に売却(解約)する必要はないのです。

もちろんすべて売却することを完全に否定するわけではありませんが、1度にすべて解約するのはもったいないです。

理由は、次の「B 20年後も運用し続けて売却する」の中で解説をしていきます。

5-2 「B 20年後も運用し続けて売却する」

次に「B 20年後も運用し続けて売却する」場合について解説します。

例えば、

あなたが今年25歳。20年後の45歳までつみたてNISAをした場合を考えます。45歳ではまだ収入があるので、さらに運用を続けたいと思ったときに参考になる内容がこのBの例になります。

つみたてNISA口座で20年間の非課税運用が終わると、自動的にそのときの時価で課税口座に移されます。

時価とは

その日の市場での価格のことです。よくニュースでも聞く、時価総額という言葉は、時価に株式数をかけた額のことになります。

2022年に投資をした40万円を利回り4%で20年間運用できた場合、2041年には約86万円(858,354円)になります。

20年後も運用を続ける場合は、2042年からはこの時価である約86万円(858,354円)がそのまま課税口座に移されて運用を続けることになります。

すると、2042年以降は約86万円よりも利益が出た運用益にだけ税金約20%がかかるようになります。

もちろん、つみたてNISAで運用していた20年間のうちの運用益には税金がかかりません。

課税口座で約86万円を同様に利回り4%で、2061年まで運用し続けた場合、なんと資産額としては約188万円(1,880,758円)になります。

ただし、課税口座で運用をしているため、税金約20%がかかりますのでここでも具体的な数字で解説していきます。

2061年まで運用し続けて、引き出した場合を考えます。

資産額としては約188万円(1,880,758円)になりますが、2042年からは課税口座で運用しているため、2042年から2061年までの運用益には約20%の税金がかかります。

税引前の運用益は、1,022,404円です。

計算すると、税引き後の運用益は、1,022,404*(1-0.20315)=約81万円(814,703円)になります。

こちらを2042年までの約86万円(858,354円)と足し合わせると、858,354円+814,703円=約167万円(1,673,057円)になります。

整理しますと、2022年投資分の40万円を2041年まで20年間非課税運用した後、2042年から課税口座で運用を継続し、2061年まで運用して引き出した場合、約167万円になるということです。

なんと投資した金額40万円の約4倍です。

これが、私が非課税期間20年後も運用を続けることをおススメする理由です。

20年後もすぐに引き出して使う予定がない場合は、運用し続けたほうが資産をより増やすことができます。

だからこそ、「A 20年後にすべて売却する」というのはもったいないのです。

さらに、資産を2倍にするチャンスを逃しているということですから。

でも、このような説明をするとある疑問が生まれてくると思います。

疑問

「4倍になるのはわかった。でも、資産を増やすだけじゃなくて、もっと早く使っていきたいんだ」

「2022年から2061年って今から40年も待てないよ」

「使わないと意味ないじゃないか」

という疑問にもお答えするために、最後に、「C  一部売却して運用し続ける」場合について解説していきます。

5-3 「C 一部売却して運用し続ける」

次に「C  一部売却して運用し続ける」場合について解説します。

例えば、あなたが今年40歳でつみたてNISAを始めて、20年後の60歳で一部売却を検討する場合をイメージしてください。

(ここでは、20年間(2022年~2041年)積立してきた金額の半分を売却して、残り半分をさらに20年間(2042年~2061年)運用するイメージです。)

先のAとBと同様に、2022年に投資をした40万円を利回り4%で20年間運用できた場合、2041年に約86万円(858,354円)になります。

ここで、一部売却を考えてみます。

例えば、2041年時点の資産約86万円(858,354円)に対して、半分の約43万円(429,177円)を売却し、残りの半分約43万円(429,177円)で運用を継続した場合で今後の運用を考えてみます。

2041年までは非課税運用ができるため、429,177円を非課税でまるまる現金化することができます。

2042年に運用を継続する約43万円を課税口座に移すと、約43万円よりも利益が出た運用益にだけ税金約20%がかかるようになります。

先ほどと同様に2061年まで運用した場合で考えてみます。

すると、課税口座での運用益が約51万円(511,203円)なので、約20%の税金を引くと約41万円(407,352円)になります。

よって、2061年のときの資産額は、運用を継続した約43万円と税引き後の運用益約41万円を足し合わせて、

429,177円+407,352円=約84万円(836,529円)になります。

さらに、この金額に2041年に売却して現金化した約42万円を足し合わせると、約127万円(1,265,706円)になります。

結果としては、投資した金額40万円の約3倍です。

このように、「B 20年後も運用し続けて売却する」のように全額を運用し続けることは難しい場合でも、一部を売却して一部を運用し続けることで資産を増やすことはできます。

しっかりと使うことも考えたいですが、一気にすべてを現金化するのではなく、使わない分は運用し続けることが大切です。

本章では、20年後にどうしたらよいのか?について理解して頂くために2022年分の投資分をA、B、Cそれぞれの出口戦略で具体的な数字で解説しました。

出口戦略はそれぞれの人のライフプラン、人生の目的によって大きく異なりますし、また、現在の資産額やもらえる年金額によっても考え方が変わるものです。

多くの人に正解だったとしても、あなた自身にとっての正解かどうかはわかりません。

そんな正解がわからない中でも、私が1つはっきりと本章でお伝えしたかったのは、つみたてNISAを20年後も運用し続けてほしいということです。

例えば、あなたが20代でつみたてNISAを始めたならば、20年後でも40代です。特別な支出がなければまだまだ運用を続けられます(パターンBの場合)。

もしも40代の時に子供の教育費に使いたいのであれば、教育費だけを一部売却して運用を継続することもできます(パターンCの場合)。

また、あなたが現在40代でつみたてNISAを始めたならば、20年後には60代です。取り崩しながら運用するためにも、リスクの低い商品に切り替えといった見直しも必要だと思います。

私はよく「投資は何年続ければよいですか?」という質問を頂きます。

私は少なくとも15年以上とお答えするようにしていますが、本当のところは長期投資に期限はなく一生涯し続けてほしいと思っています。

これからの時代は公的年金の受給額は間違いなく減りますし、社会保障も今ほど手厚くないので医療費も上がることでしょう。

さらに、インフレによって物の値段上がり、生活は益々厳しくなることが予想されます。

そんな中、少しでも運用を継続して、これらのリスクに備えることができるのは運用を継続するという選択です。

もちろん、使うことも大切なので必要な分は取り崩せばよいと思います。

しかし、今まで解説してきたように、残った分は運用を継続してほしいと思います。

最もオススメの方法は、できるだけ長い時間運用し続け、目的となる年齢や金額になるまで引き出さない(売却しない)ことです。

いつ売却するか迷ったり、暴落で売りそうになってしまう人は、この考え方を忘れないようにしてください。

次の最終章となる第6章では、全期間における総資産がいったいどれくらいの金額になるのか、具体的な出口の金額を詳細に解説していきたいと思います。

第5章まとめ 「20年後の出口戦略」

2022年の1年間について、利回り4%で満額33,333円を投資して、運用し続けた場合について、A、B、Cそれぞれの出口戦略を考えました。

・「A 20年後にすべて売却する」

投資した金額40万円の約2倍。オススメできない。

・「B 20年後も運用し続けて売却する」

投資した金額40万円の約4倍。運用し続ける威力は絶大。

・「C 一部売却して運用し続ける」

投資した金額40万円の約3倍。最も現実的な方法。

第6章 出口の最終資産額

最終章です。

第5章の出口戦略や今までの知識をフル活用し、つみたてNISAで20年後も課税口座で運用し続けた場合を考えます。

いったい出口でどれくらいの資産になるのか具体的な数字で計算した結果を解説いたします。

なぜ私が暴落や株価の値動きに全く左右されないのか、というと、この出口までの資産額がイメージできているからです。

この資産額のイメージができると、「売りたい」という気持ちや「どうしたらいい?」と不安になったときでも、自信を持って継続することができるようになります。

本章でつみたてNISAの真の実力を理解してください。

それでは解説していきます。

6-1 20年以降運用し続けた場合の最終資産額

こちらの図は、4章でも出てきたように、つみたてNISAの全ての運用開始年と非課税期間(水色の部分)をまとめた図になります。

ここでは、2022年~2042年までの21年間分をすべて満額の40万円、毎年33,333円を積立し、2061年まで売却せずに運用し続けた場合にどれくらいの資産になるのか数字で解説していきます。

投資した金額は全部で840万円、ここでも利回り4%で計算します。

最初に結論を言うと、課税口座の運用部分+非課税期間のフル活用になり、合計すると2553万円になります。

足し合わせたのは青四角の部分です。

なんと、2000万円を越える資産額になるのです。

例えば、2022年に投資をした40万円分を2061年まで運用し続けた場合は、第5章で計算したように約167万円(1,673,057円)になります。

また、2042年に投資をした40万円分を2061年まで運用し続けた場合は、非課税期間20年間のフル活用になるので、第4章で計算したように、約86万円(858,354円)になります。

これらと同じように計算すると、

2022年に投資をした40万円は約167万円になる

2023年に投資をした40万円は約162万円になる

2042年に投資をした40万円は約86万円になる

これらすべてを足し合わせると、

約2553万円(25,528,128円)になるのです。

この金額は決してウソではありません。

実際に本書ではこの計算の根拠となる計算方法をすべて明らかにしてここまで解説してきました。

この例のように、2022年から2042年まで投資をしておくだけで、

2061年には2500万円以上の資産を手にできる可能性があるのです。

これがつみたてNISAの真の実力になります。

では、つみたてNISAがすごいことはわかったので、実際に自分がいったい何歳のときに、どれくらいの資産になっているか知りたい方も多いと思います。

次に、2022年につみたてNISAを開始した場合の最終資産額を具体的な数字で解説していきます。

6-2 2022年に開始した場合の最終資産額

2022年につみたてNISAを開始して、2042年まで毎年33,333円を積立した場合の試算額を年齢別でまとめました。

現在20歳、25歳、30歳・・・50歳の方の年齢と資産額を計算しています。

※購入者限定プレゼントの方には、細かく全年齢20歳、21歳~65歳まで記載しています。

2021年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行されたことで、企業は70歳までの雇用が努力義務になりました。

おそらく、今後年金受給開始年齢は引き上げられ70歳ごろとなると思います。

こちらの表で例えば、2022年に30歳の方は、2061年には69歳で資産約2553万円に到達することがわかります。

年金受給をはじめる70歳までに2500万円以上の資産をつくることができるって相当心強いですよね。

もしもいつ売ればいいのか迷っている方は、年金受給開始までは運用し続けていくことをオススメいたします。

また例えば、2022年に40歳の方でも、70歳になる2052年まで運用し続ければ、資産は約1875万円になります。

2000万円にはわずかに届きませんが、今からはじめても全然遅くないということがわかっていただけるかと思います。

さて、上記の表の場合は、2022年から開始した場合に2042年までの21年分、合計840万円を投資した場合の試算額の推移を計算しています。

こちらの表だけでも、多くの方の資産額の参考になるかとは思いますが、つみたてNISAは2018年から始まった制度です。

本章を読んでいただいている中には、2018年、2019年、2020年、2021年につみたてNISAを開始した方もいらっしゃるかと思いますので、すべての年と年齢で計算した表を作成しています。

こちらは、本書の購入特典になりますので、せひ受け取っていただき参考にしてみてください。

本書の最後に受け取り方法を記載しております。

6-3 資産の取り崩し方法

本章の最後に、増えた資産をどのように取り崩して使用すればよいか解説いたします。

出口となる資産額の目安はわかったけれど、どのように取り崩していけばよいのか?

という疑問にお答えしていきます。

まず、取り崩していくうえで最も大切なのは、できる限り資産を減らさずに資産を取り崩していく方法をとることです。

正直、取り崩しの方法については、つみたてNISAの目的やその人の資産額、年金額、退職金といったあらゆる要素を考慮した上で、決めていくものです。

そのため、絶対に覚えておいてほしいのは、これからオススメする方法は、あくまでも1例であるということです。

最適解はつみたてNISAの目的によって無数に存在するため、自分にあった方法を最後は選択してくださいね。

それでは、私のオススメする「4%ルール」を活用した2つの方法を解説いたします。

1つ目は、最終資産を4%にあたる金額を定額で取り崩す方法です。

これはアメリカのトリニティー大学が研究した結果に基づいています。

例えば、最終資産2000万円の場合

1年目の取り崩し 2000万円×4%=80万円

2年目の取り崩し 2000万円×4%=80万円

そのあと、同じように取り崩していきます。

普通に考えれば、4%で取り崩すので25年間ですべての資産がなくなってしまいます。

しかし、研究では30年後も資産が残っている確率は95%という驚きの結果があるのです。

ポートフォリオの条件によっても異なりますが、運用し続けながら取り崩すことによって資産を長持ちさせることができます

ポートフォリオとは

金融商品の組み合わせのことです。株式と債券の比率を50%ずつのポートフォリオを作った、のように使います。

2つ目は、毎年の資産を定率で取り崩す方法です。

名著、ウォール街のランダムウォーカでオススメされている方法です。

定額ではなく、毎年の資産額によって取り崩す金額を変えていく方法です。

先ほどのように毎年決まった金額を取り崩すわけではないため、計画は立てにくいかもしれません。

けれど、ポートフォリオ全体のリターンが4%よりも高ければ、半永久的に資産を減らすことなく長持ちさせることができます。

例えば、1年目の資産2000万円の場合

1年目の取り崩し 2000万円×4%=80万円

2年目の資産が増減して、1800万円になった場合

2年目の取り崩し 1800万円×4%=72万円

そのあと、毎年の資産に応じて取り崩していきます。

やはりなんといっても資産を取り崩しながらも、運用をし続けることで資産を長持ちさせることが大切です。

また、取り崩しについては、楽天証券やSBI証券でも投信定期売却サービスというものを開始しています。

楽天証券では、金額指定(1000円以上1円単位)、定率指定(0.1%以上0.1%単位)、期間指定(最終受取年月)を指定の3パターンがあります。

私もオススメする4%の取り崩し方法も可能ですので、出口ではぜひ活用してください。

第6章 出口の最終資産額 まとめ

<伝えたかったこと>

年金2000万円問題は、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯で年金以外に毎月約5.5万円不足するという試算に基づいています。

これだけ聞くとびっくりしてしまいますが、本章で解説したように、つみたてNISAで資産2000万円を作り、出口で4%で取り崩すことができれば解決できます。

2000万円×4%=80万円

毎月約6.7万円です。

不足分である約5.5万円以上なので問題ありません。

さらに、資産2000万円は運用し続ける限り、30年後でも半永久的に資産を減らすことなく長持ちさせることができます。

これが1つ、私の考える2000万円問題の解決策です。

もちろん2000万円必要かどうかは、人にとって違います。

でも、このようにつみたてNISAを始めて出口までイメージすることができれば老後の不安はぐっと小さくなること間違いなしです。

さらに、つみたてNISAを満額33,333円をした方がよい理由も最後の出口まで繋がっているからなのです。

さいごに

最後までお読みいただき本当にありがとうございました。

今できる最適な資産形成の1つは、間違いなくつみたてNISAです。

本書ではつみたてNISAの基本から出口戦略まで解説してきました。

最近はつみたてNISAに関する情報が世の中にあふれていますが、具体的な数字で計算した結果を紹介しているものはほとんどありません。

つみたてNISAだけでも資産2000万円を達成することができることは、本書を読み終えた今、ご理解いただけたかと思います。

もちろん、年齢や状況によっては運用期間をそこまで長くとることができないので2000万円に到達できない人もいらっしゃるかもしれません。

でも、その場合でも取り崩しながら運用し続けることで資産をなるべく減らすことなく資産寿命を延ばすことができます。

また、繰り返しになりますが毎月33,333円をする意味についても改めてお伝えしたいと思います。

あなたは本書を読む以前は、毎月たった3万円程度で老後資金を貯めることなんてできないと思ってはいなかったでしょうか?

Twitterでも未だにこのような考えの方が多いのが現状ですが、その3万円程度をコツコツ継続することができれば、長期で2000万円の資産を作ることは十分可能なのです。

つみたてNISAを満額することで老後の生活設計に安心できる、だからこそ私はオススメしているのです。

老後資金や将来に対する漠然とした不安がある方ほど、このつみたてNISAを活用して毎月継続して積立投資をしていってください。

そうすれば、あなたの未来に対する不安はぐっと小さくなるはずです。

また、暴落があったとしても、あなたは長期で継続して2000万円を作るために投資をしているという意識を持ってください。

2000万円を貯めるために長期で20年以上の投資をしているのに、短期の値動きに左右されてはいけないのです。

もちろん、未来のことは誰にもわかりません。

暴落も絶対にあります。

でも、大丈夫です。

例えば、有名なS&P500の利回りを過去80年以上にわたって分析してみても、20年以上の投資を継続していればいつ始めたとしてもプラスになったデータがあります。

諦めずコツコツ継続していけば、あなたの未来は本当にわくわくしたものに変わっていくはずです。

ぜひあなたにも資産形成の第一歩としてつみたてNISAをはじめていただければと思います。

あなたの人生の不安が少しでも小さくなり、未来にわくわくできることを心から願っております。

もくじ